2014年12月25日木曜日
飲むだけで嫌な記憶を消し去る薬剤成分が発見される(米研究)
飲むだけで嫌な過去の記憶を忘れられる。映画『エターナル・サンシャイン』の中では、ケイト・ウィンスレットとジム・キャリーが、それぞれ過去の記憶を消す場面が出てくる。嫌な経験ほど覚えているもので、後でその時のことを思い出し、顔から火がでたり煙がでたりすることがあったのは私だけではないはずだ。
しかしそんな悪夢のような過去の記憶を消してくれるそんな薬剤成分が発見されたという。
多発性硬化症の治療に使われるフィンゴリモドという薬をマウスに与えると、肉体的苦痛にまつわる嫌な体験を完全に忘れてしまうという。
米ヴァージニア・コモンウェルス大学の研究によると、この薬は過去のトラウマ的な体験の記憶を根こそぎ消し去り、患者が恐怖症や摂食障害、性的な悩みなどを克服できることが期待できるそうだ。
ジレニアという商品名で出回っているフィンゴリモドは、免疫システムを抑制することによって、多発性硬化症の症状を軽減する。
同大のサラ・シュピーゲル博士らは、この薬が、遺伝子発現を制御している重要なタンパク質、ヒストン脱アセチル化酵素を抑制することを発見した。
軽い電気ショックを与えられ、ケージに戻るときに恐怖で固まって動けなくなってしまったマウスにこの薬を与えると、すぐに動き回ることができるようになった。これは、薬が血液脳関門を突破し、電気ショックという不愉快な記憶を忘れたためと思われる。
多発性硬化症治療薬として、食品医薬品局にも認可されているこのフィンゴィモドは、まだあまりよく解明されていない中枢神経系にも有益な効果があるのではないかということで、シュピーゲル博士は、PTSDや不安障害の補助薬としての利用を考えている。
しかし、過去の嫌なことをすべて忘れてしまったら、失敗から学ぶという、人間らしい本質までも根絶してしまうのではないかという懸念はある。記憶を消し去る能力は、まだ当分SFの世界の話だけでいいかもしれない。
まだマウス実験の段階なので何とも言えないが、半永久的に嫌な記憶を忘れることができるのか、それとも一時的なものなのかがすごく気になるね。一時的に嫌な記憶を飛ばす道具として、大人はお酒というアイテムを使用することがあるからね。ただお酒の場合、嫌な記憶が助長されて更なる嫌な記憶を生み出すという悪循環もあるわけなんだけど、ちょっと気になる研究だね。
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